【いとみち】単なるご当地映画にあらず!
結論から言うと、とてもとても感動しました。
ちょっと時間があったので、何か面白そうな映画ないかなレベルの軽い気持ちで観たのですが。
序盤から涙腺が刺激され、終盤には流れっぱなし。
個人的には、2月に観た『すばらしき世界』と並ぶ傑作!…との感想です。
舞台は、リンゴ農家が連なる青森の田舎町。
津軽訛りに悩む内気な高校生。
幼い頃に母親を亡くし、祖母と父の三人暮らし。
やっていた三味線も恥ずかしくなり止めている。
ふとした弾みで、メイドカフェでバイト。
個性的な従業員との交流で、少しずつ変わる。
だが、オーナーの逮捕でお店が潰れることに。
みんなと働き続けるために再び三味線を手に取る。
ストーリーは以上。
単なる「お国ことば全開のアイドルによる青森紹介ムービー」だと思って観に行ったんです。
そんな風味のポスターですし。
そこそこに笑えて楽しめるならいいかな…と。
ところが、人間描写の深さ、映像美に衝撃!
何気ない光景なのに、涙がハラハラ出るというか。
誇張のない市井の人々が本当に美しいのです。
特にクライマックスの三味線演奏シーンは、もう一度観たい、いや観なければならないと強く決意するほど神懸かっていました。
そして、ヒロインの駒井蓮さんは本物。
私の中では能年玲奈さんを初めて観た時以上の衝動です。
津軽弁もアンニュイな表情も全てが凄い。
日本を代表する俳優さんになると確信しました。
何気なく観て大当たりだった作品としては『百円の恋』を初めて観た後の感覚に近いです。
かれこれ20回は観ているほど惚れ込んだ作品。
何はなくとも、あと1〜2回は観に行くつもり。
素晴らしい作品と出会えたことに感謝します。