粉砕者の日記

昔ながらの観光地、プロレス、寄席、映画、職人芸、人間の業、怪しいモノに目がない団塊ジュニアの日記

【梅切らぬバカ】実力派による「じんわりストーリー」

錦糸町で観てきました。
予告編を見て、これは観ておいたほうが良さそう…と思い立ちまして。

老いた母親と中年になった自閉症の息子。
地域の住人たちとの軋轢。
根本的な解決はできず、過ぎていく時間。

クスッと笑えることは多く穏やかで暖かな毎日なのに、実態としては非常に深刻。
世の中の問題は、スパッと解決することなんてない。先送りしつつ、ほんの少しでも良い方向になるよう今を生きていく。
ただ、問題を起こすのも、明るい未来を感じさせてくれるのも、すべて“子ども”という存在。
…なんてことを、あっさりと始まったエンドロールを観ながら思いました。

塚地武我の存在感が凄まじく。唯一無二の俳優になりつつあると衝撃を受けました。

加賀まりこだから、悲劇ではなく喜劇としての救いが出たのではないかと思います。全てを受け止めてきた女性が持つ胆力!

渡邊いっけい&林家正蔵は、これ以上ないレベルのハマリ役。男はつらいよ以来、久しぶりに北山雅康を観て興奮。徳井優の役者としての安定感。真魚を映画で観れて嬉しい!

じんわりとしたストーリーと素晴らしい俳優陣による秀作でした。

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