粉砕者の日記

昔ながらの観光地、プロレス、寄席、映画、職人芸、人間の業、怪しいモノに目がない団塊ジュニアの日記

【孤狼の血 LEVEL2】アップデートされた仁義なき戦い

前作同様、初日に観てきました!
広島大好き、仁義なき戦い大好きな立場としては、鑑賞は義務だと考えており。
やっぱり、冒頭からあのテイストのナレーションはテンションが上がります。
何というか、おおっ!来た来た!と腰が浮く感じというか。

ストーリーは、ややウシジマくん的な目も当てられない残酷さはあるものの、とても面白かったです。
仁義なき戦いの背景には、敗戦や原爆に対する虚無感とか秩序の喪失があったと思っているのですが、本作もその延長線にある社会的な断層が描かれています。
今にも繋がる「格差」で非常に骨太です。
ウシジマくん的なモノは、時代性なのでしょう。

俳優陣は、やはり鈴木亮平さんに尽きます。
時折見せる、柔和な笑顔が印象的で。
狂気と寂しさが入り混じる、圧倒的存在感でした。
勢いよく事務所を出る時、パーンッと子分の背中を叩くシーンがあるんですけど、ものすごいリーダー感なんですよ。
一方で、裏切った人、邪魔な人は、これ以上ないほどに情け容赦なく制裁する残忍さもあって。
とにかく怖かった…。

もちろん、松坂桃李さんも素晴らしかったし、中村梅雀さん、滝藤賢一さん、斎藤工さんの存在感にも痺れました。
吉田鋼太郎さんの「金子信雄」感は、仁義ファンならば狂喜モノです。

ストーリーも良く、俳優も素晴らしい。
でも、観る人の満足度は「仁義なき戦い」の文脈を楽しめるかによって左右される。
そんな作品だったと思います。
私は、もう一度、観に行こうと思います。
何度か目を背けてしまったので。

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