粉砕者の日記

昔ながらの観光地、プロレス、寄席、映画、職人芸、人間の業、怪しいモノに目がない団塊ジュニアの日記

【ドライブ・マイ・カー】エンタメと文芸の狭間

今更ながら観てきました。
結構、ミーハーなものですから。

きっと、いやかなり良い映画なんだろうな…と。
とても長い作品にも関わらず、最後の最後までどうなるか分からずにドキドキしましたし。
どんなに近しい人であっても、その人の全てを理解するのは不可能であるとの諦観も共感できました。

村上春樹原作とか、脚本の凄さとか、海外での評価の高さといった情報を事前に知らずに観たかったな…というのが、観終わった直後の感想。
何も知らずに観たら、相当な衝撃だったと思うので。

変に前評判を聞いていたせいで、全てのことが伏線に見えてしまい、気になって物語に没入できませんでした。
いや…というか、観客に没入させないような、ある意味で強い意志のようなものすら感じました。
エンタメと文芸との狭間。
このあたりの味わいが、世界中のクリエイターや映画マニアに支持されているのかもしれません。

最後までハラハラしたし、人の心理の不可思議さを改めて実感できたし、緻密に構成された人物像とストーリーには感嘆しました。
あと2〜3回観ても、新たな気づきがありそうです。
でも、鑑賞後の帰り道で思ったのは「パーッと “ロッキー4” とか “ランボー3怒りのアフガン” なんかを観たいなあ」ということ。

そう、大衆はシンプルで消化しやすいものが好きなのです。

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